長崎平和祈念式典、台湾代表への席配置を巡る波紋 - 中国の圧力か? NGO席への配置と台湾側の反論
2025-08-14
産経新聞
長崎平和祈念式典、台湾代表への席配置を巡る波紋
9月9日に長崎市で行われた長崎平和祈念式典に、台北駐日経済文化代表処の李逸洋代表(台湾の駐日大使に相当)が台湾代表として初参列しました。しかし、その席配置が波紋を呼んでいます。李逸洋代表によると、用意されていた席は各国代表のエリアではなく、国際非政府組織(NGO)の席だったとのことです。
中国の圧力の疑い
李逸洋代表は、「中国による圧力が背後にあったと理解している」と強く主張しています。これは、中国が台湾の国際的な地位を認めない姿勢を背景としたものであり、平和祈念式典という国際的な行事において、台湾を排除しようとする意図があったのではないかという憶測を呼んでいます。
「私たちはNGOではない」
これに対し、台湾側は「私たちはNGOではない」と反論しています。原爆の犠牲者の中に台湾人も含まれていることを考慮し、広島市が今年初めて台湾に式典への参列を求める「通知」を送った経緯もあります。広島市からの働きかけを受け、台湾は初めて式典に代表を派遣したのです。
長崎市の対応
長崎市は、席の配置について「大使から順に配置した」と説明していますが、台湾代表がNGO席に配置されたことに対する釈明は明確ではありません。この対応が、中国の影響下で行われたのではないかという疑念をさらに深めています。
今後の展望
今回の席配置問題は、台湾と中国の関係、そして国際社会における台湾の地位を改めて浮き彫りにしました。今後、日本政府や国際社会が、台湾の国際的な地位をどのように認識し、支援していくかが注目されます。また、長崎市が今回の問題をどのように受け止め、今後の国際行事における台湾の扱いをどのように検討していくのかも重要です。
平和祈念式典は、世界の平和を願う重要な行事です。政治的な駆け引きによって、この行事の意義が損なわれることのないよう、関係各所が真摯に向き合う必要があります。