原爆に耐え、樹齢500年を超えるクスノキ…2カ月で新芽を出す奇跡!被爆者の熱い想いが奇跡を生んだ
2025-08-15
産経新聞
長崎市山王神社境内に立つ「被爆クスノキ」は、原爆の悲劇を乗り越え、今もなお私たちに希望を与え続けている2本の木です。樹齢500年を超える大木でありながら、かつては枯死寸前という危機に瀕していました。そんなクスノキを救うため、尽力されたのが長崎市在住の被爆者、森田博満さん(90歳)。彼の熱い想いが奇跡を生み出したのです。
森田さんは、戦争で多くの家族を失った悲しい過去を持ちます。「8人きょうだいの一番下。兄は戦争でみんな亡くなったんですよ。一番上の兄貴の泰重(たいじゅ)は…」と語る彼の言葉には、戦争の痛みが深く刻まれています。
30年ほど前、クスノキは樹勢が衰え、枯れ始めていました。しかし、森田さんは諦めませんでした。毎日のようにクスノキの元を訪れ、手入れを続けました。肥料を与え、水やりを欠かさず、愛情を込めて木と向き合いました。「この木が生きるかどうかが、私の最後の役目だと思ったんです」と語る彼の言葉には、被爆者としての責任感と、未来への希望が込められています。
そして、2024年に入り、奇跡が起こりました。枯れかけていたクスノキに、鮮やかな新芽が出始めたのです。森田さんは、「まさか新芽が出るなんて思わなかった。本当に嬉しい」と喜びを語ります。この新芽は、森田さんの尽力と、クスノキ自身の生命力、そして長崎の豊かな自然が育んだ奇跡なのです。
被爆クスノキは、原爆の悲劇を乗り越え、平和への祈りを込めて立ち続ける希望の象徴です。森田さんの熱い想いを受け継ぎ、私たちはこのクスノキを大切に守り、未来へと繋いでいかなければなりません。
被爆クスノキへの想い
- 森田博満さん(90歳):「この木が生きるかどうかが、私の最後の役目だと思ったんです。新芽が出たのは、本当に嬉しい。これからもこの木が元気に育ってくれることを願っています。」
山王神社のクスノキは、長崎の歴史と文化を象徴する貴重な存在です。ぜひ一度、その雄姿を間近に見て、平和への祈りを捧げてみてください。